TDKのインダクター

TDKは26日、人工知能(AI)サーバーに搭載される光通信用機器向けの電子部品を開発したと発表した。「光トランシーバー」向けのインダクター(コイル)で、電気信号のノイズを除去する。サーバーの処理速度を高めるために高性能な回路が必要になっており、小型化した専用部品で需要に対応する。

光トランシーバーはAIサーバーに多数搭載され、データの伝送を担う。これまでスマホなど民生機器用のインダクターを販売していたが、光トランシーバー向けに特化するため既存品より小型化した。

開発した新製品「PLEC69Bシリーズ」は、サイズが長さ1.2ミリ、幅0.6ミリ、高さ0.95ミリとなる。材料や内部構造を見直し、信号が電源側に流れないよう防止する性能を高めた。サイズが近い競合製品と比べて定格電流が1.7倍と電流を多く流せるほか、電気抵抗を7割削減して電力ロスを減らした。

甲府工場(山梨県南アルプス市)でまず月1000万個生産する。サンプル価格は1個40円(税抜き)。生成AIの利用拡大で、データセンターでの需要増が見込まれる。TDKは効率の高い部品でAI需要を取り込む。

【関連記事】

  • ・電子部品7社、4〜6月の最終損益が悪化 円高やEV減速で
  • ・TDK、車載カメラ向けインダクター 基板の搭載面積6割減
BUSINESS DAILY by NIKKEI

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。