【ブリュッセル=共同】英石油大手BPは24日、自動車用や工業用に展開する「カストロール」ブランドの潤滑油事業に関し、株式の65%を米投資会社ストーンピークに約60億ドル(約9300億円)で売却すると発表した。BPは業績低迷を受けて資産売却を進めており、財務体質を改善させる。取引は2026年末までに完了する見込みだ。

米メディアによると、「物言う株主」として知られる米投資ファンドのエリオット・インベストメント・マネジメントは、経営の変革を求めてBPに圧力をかけていた。BPは27年末までに200億ドルの資産売却を目指しており、今回の取引を含めて目標の半分以上にめどを付けたと説明している。

BPは世界的な脱炭素化の潮流を踏まえて近年、再生可能エネルギー事業の強化を目指してきた。だが、業績が振るわず、今年2月に戦略を「リセットする」と発表した。再エネへの投資は抑え、石油など化石燃料事業に再び力を入れる。

BPのキャロル・ハウル暫定最高経営責任者(CEO)は声明で、今回の売却は「リセット戦略の重要な節目だ」と説明した上で、収益力の向上と株主価値の創出に集中する意向を示した。

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