存廃が議論されている区間を走るJR芸備線の車両=広島県庄原市で2023年10月21日午後3時56分、安徳祐撮影

 広島、岡山両県を走るJR芸備線の一部区間について、国やJR西日本、両県や沿線自治体が存廃を話し合う「再構築協議会」の第7回幹事会が24日、広島市内で開かれた。鉄道の地域への経済効果と比較検討するため、路線バスを運行する実証事業を来年6月までに始めることで合意した。今年7月に開始した土日祝日の臨時列車は来年4~6月も運行する。

 幹事会では、幹事長を務める阪場進一・中国運輸局交通政策部長らが今年運行した臨時列車に関し「当初仮説と比べ、地域消費が限定的」とする検証データを示した。

 さらに来年度からは、鉄道の潜在的な地域への経済効果と比較検討するため、路線バスを運行する実証事業を始めることで合意した。平日は高校生など地元住民向け、土日祝日は観光客向けを想定した路線バスを運行する。平日は早くて5月の大型連休明けで遅くても6月中、休日は臨時列車が運行を終えた7月以降の開始を目指す。4カ月間の運行を想定し、具体的な区間やダイヤは今後決める。

 会合で阪場幹事長は「来年はいよいよ方針(を決める)最終段階に入る。ゴールを意識した議論を引き続き進めたい」と述べた。

 再構築協議会は深刻な赤字路線に悩むJR西の申請を受けて国土交通省が全国で初めて設置。2024年3月に第1回会合を開き、存廃を含め、3年以内の結論を目指している。【武市智菜実】

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