ソフトバンク子会社、人流データ使った防災授業　宮城県石巻市で

ソフトバンク子会社で位置情報サービスのAgoop（アグープ、東京・渋谷）は25日、宮城県石巻市の市立中学校と石巻専修大学と連携して人の動きのデータを活用した防災授業を実施したと発表した。11月に石巻市立湊中学校で特別授業を開き、学生は実際の避難行動データをもとに防災・減災の学習に取り組んだ。

アグープの人流可視化ツール「コンプレノ」を使って7月のカムチャツカ半島沖地震時の避難行動データを教材として活用した。生徒たちは災害時の渋滞発生場所を予想した後、実際のデータと比較検証した。データに基づく議論によって具体的な避難計画策定などにつなげた。

授業に参加した生徒からは「実際の人の動きを見ることで想定とは違う動きがわかった」と話した。教員から「実際の避難行動を見て仮説検証できるので、非常に建設的で前向きな議論になった」との声があったという。

この防災教育は東日本大震災の教訓を未来につなぎ、中学生が主体的に考えることを目的としている。アグープの人流データが世代や立場を超えて事実を共有し、客観的なデータに基づく防災対策の議論につなげられる。

アグープは「石巻市での防災学習をモデルケースとし、今後もビッグデータとテクノロジーの力で地域課題の解決を支援していく」とした。

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