島津製作所は25日、チェコの電子顕微鏡メーカーのテスキャンを買収すると発表した。買収金額は6億7800万ドル(約1058億円)で、島津として過去最大となる。テスキャンは欧州やアジアを中心に世界80カ国・地域で事業を展開する。島津の物性などの分析技術と相乗効果を見込む。2026年前半の完全子会社化を目指す。

テスキャンの全株式を間接的に保有するグラス社の全株式を取得するかたちで、テスキャンを傘下に収める。テスキャンは材料工学や半導体、生命科学向けの電子顕微鏡を手がける。24年12月期の連結売上高は約300億円だった。

島津製作所とは24年7月に業務提携し、電子顕微鏡や分析計測機器の販売で連携していた。テスキャンが持つ顕微鏡を活用した表面の分析技術と、島津製作所の成分や物性の分析技術を組み合わせ、収益性を高める。

島津製作所は医療分野や保守サービスの拡充に向けて、M&A(合併・買収)を進めてきた。22年には、約400億円を投じて試薬製造などを手がける日水製薬(現島津ダイアグノスティクス)を買収した。

【関連記事】

  • ・島津製作所と京都フュージョ、核融合発電向け排気装置を開発
  • ・島津製作所、金属腐食の海中測定器を発売 非接触で検知

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。