トヨタ自動車の2025年は、トランプ米政権による自動車追加関税への対応などグローバル戦略を再定義する1年でした。米中が分断する中、世界全地域で販売を伸ばす戦略を推進。トヨタの源流企業の豊田自動織機にTOB(株式公開買い付け)することを決めるなど、グループ再編についても読者の関心を呼びました。日経電子版のアクセス数などを元に読まれた記事を選んで振り返ります。
米関税対応「トヨタを使ってください」 1.5兆円投資、カムリを逆輸入

トランプ米政権が4月に日本からの輸入自動車に25%の追加関税を課しました。9月に引き下げられましたが、トヨタは、日米政府の関税交渉にも注視しながら、米国戦略の見直しに追われた1年となりました。
- ・「トヨタを使ってください」豊田章男会長、首相に関税交渉カード渡す
- ・トヨタ、部品の関税上昇コスト負担 メキシコ生産分など
- ・トヨタ、米国製3車種を「逆輸入」 26年からカムリやタンドラなど
- ・トヨタ「世界全方位戦略」が奏功 米中で独自開発進め販売拡大
- ・トヨタが米国で1.5兆円投資 トランプ2次政権後、日本勢最大の表明
豊田織機、4.7兆円で非公開化 グループ資本効率を改善

トヨタはトヨタ不動産や豊田章男トヨタ自動車会長と、豊田自動織機にTOBします。トヨタグループは多くの株式を持ち合っていましたが、資産効率の改善を進めるほか、モビリティーの電動化を見据え、グループ再編に動きます。TOB開始は26年2月になりましたが、アクティビスト(物言う株主)の豊田織機株買い増しの動きが出ています。
- ・トヨタ、グループ資本効率改善に大なた 豊田織機を非公開化
- ・豊田織機の株主にトヨタ会長 グループ「一枚岩経営」の得失
- ・豊田自動織機の非公開化、TOB成立あと2割 スキームに3つの異例
- ・豊田織機へのTOB2月に延期 トヨタ陣営、競争法対応に遅れ
- ・米エリオット、豊田織機株の5%保有 「重要提案行為」目的に
「ウーブン・シティ」始動 異業種20者で次世代モビリティー社会つくる

トヨタが進めてきた実証都市「ウーブン・シティ」(静岡県裾野市)が9月に始動しました。ダイキン工業や日清食品などが参加し、住民の暮らす環境下で自動運転などを実証します。米中勢が開発で先行する中、都市規模の実証により、次世代モビリティー社会の実現を急ぎます。
- ・トヨタ「ウーブン・シティ」で自動運転を実装へ 異業種連携で米中追走
- ・トヨタ、データカンパニーへ始動 「ウーブン」率いる次世代の知
- ・トヨタ子会社「ウーブン」3年ぶり最終黒字 25年3月期
超高級車でブランド再定義 クーペ「センチュリー」、スポーツ車「GR GT」

クーペ型の「センチュリー」や、「レクサス」ブランドの最高級スポーツ車の後継車種など、超高級車の披露が相次ぎました。電気自動車(EV)を中心にクルマのコモディティー化が進む中、旗艦車をけん引役に、トヨタのブランド力向上を急ぎます。ハイブリッド車やEVも戦略車を投入するなど、動力源も全方位で展開しています。
- ・トヨタが狙うは「超高級」 スポーツ車3車種披露、EV時代生き抜く戦略
- ・トヨタ「レクサス」、6輪ミニバンで先進性前面に 旗艦ブランド刷新
- ・トヨタ会長「センチュリーから次の100年作る」 オレンジクーペ披露
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- ・トヨタ、EV「bZ4X」改良 航続距離746キロは国内勢で最長
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