CESの開幕を前に講演する全米民生技術協会(CTA)のブライアン・コミスキー氏(左)=4日、米ラスベガス(高橋鈴撮影)

【ラスベガス=吉田啓悟】世界最大のテクノロジー見本市「CES」を主催する全米民生技術協会(CTA)は4日(米国時間)、米国の消費者向けテクノロジーの市場規模が2026年に5650億ドル(約89兆円)と前年比3.7%増えるとの見通しを発表した。トランプ米政権による関税などの影響で値上げもみられるなか、市場は堅調に拡大するとみている。

  • 【関連記事】CESが6日開幕、AIがロボットや自動車に浸透 ソニーGは出展見送り

6日にCESが開幕するのを前に、CTAのイノベーション兼トレンド担当シニアディレクターのブライアン・コミスキー氏が4日、記者会見を開いた。同氏は米国の消費動向について「経済的な課題や不確実性、関税の圧力があるなか、消費者はテクノロジー製品をより意図的に購入している」と分析した。

内訳は、ソフトウエア・サービスが4.2%増の1940億ドル、ハードウエアが3.4%増の3710億ドルを見込む。ソフト・サービスは動画配信サービスの会員数の伸びの鈍化を広告付き配信サービスが補う。ハードは新型コロナウイルス禍後に製品のライフサイクルが長期化したことで、出荷台数は横ばいになるとみている。

6日に開幕する「CES」の会場(4日、米ラスベガス)=高橋鈴撮影

関税の具体的な影響額については明示しなかった。CTAのゲイリー・シャピロ最高経営責任者(CEO)は「当団体は関税問題について一貫して明確な立場を示してきた。関税は好ましくなく、世界貿易にとって有益ではない」と述べ、米中首脳の対話が続くことが緊張緩和に重要と指摘した。

中国企業の出展数について問われたシャピロ氏は具体的な数は明かさなかった。そのうえでレノボ・グループの基調講演や海信集団(ハイセンス)などの出展に触れ「有力な中国企業が多数参加しており、コロナ禍での大幅な減少から緩やかな回復傾向にある」と説明した。

26年の注目点として人工知能(AI)活用による生産性向上を挙げた。CTAの調査では職場でAIを利用したことがある人の割合は米国が63%で最も多く、英国(56%)、韓国(48%)と続いた。米国の場合、1週間あたり8.7時間の業務時間節約につながっていると見積もる。

CESでは「能動的なAI」も披露される。コミスキー氏は「これはAIに『メールを書いて』ではなく『きょうの受信箱を代わりに管理して』と依頼する段階へ転換することを示す」と話した。

9日までの会期中に機械を自律的に動かす「フィジカルAI」を搭載した消費者向けヘルスケアや産業用ロボット、ヒューマノイド(ヒト型ロボット)の展示や講演が多数用意されている。

【関連記事】

  • ・CES専門家の視点 BCG長谷川氏「ヒト型ロボの標準化競う」
  • ・2026年テックトレンドはAI端末 CES開幕へ、NVIDIAファン氏ら登壇
BUSINESS DAILY by NIKKEI

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。