
夏といえばビール、だが独特の苦みが不得意な人も少なくない。北アルプスブルワリー(長野県大町市)のコーヒービール「コーヒーパンチ」はビールが苦手だったブルワー(醸造家)が試行錯誤の末たどり着いた、コーヒーの香りとさっぱりとしたビールを合わせた苦みの少ない飲みやすい味が特徴だ。
見た目は普通の白ビールだが、泡に口をつけるとコーヒーのさわやかな香りが鼻を突き抜ける。ビールの苦みも少なく、上質なアイスコーヒーを飲んだかのような後味を感じられる。
コーヒービールは通常、ビールにコーヒー豆を漬け込むなどして造る。黒ビールが使われることも多いが、「コーヒーパンチ」は癖の少ないペールエールを選んだ。酸味や苦みを残さないように豆を焙煎(ばいせん)し、コーヒーとビールが相乗効果を生み出すよう工夫する。
2019年から販売していたが、醸造の度に豆や焙煎方法を変えてきた。現在の味に至ったのは24年で、完成までに15回ほど調整を繰り返したという。
ブルワーとして開発を担当した松浦周平取締役は市内でカフェを営むコーヒー職人でもある。「もともとビールもコーヒーも苦手だった」からこそ、自分が本当においしいと感じる味を追求したという。

JR大糸線の信濃大町駅(同市)から徒歩10分ほどの場所にレストランも兼ねた醸造所を構える。サーバーからグラスに注いだ新鮮なビールを食事と一緒に味わうことができる。350ミリリットル入りの缶は店舗での直販で630円、グラスは370ミリリットル入りで850円。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。