
NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)は27日、分散型のデータセンター(DC)において最新の光通信技術「IOWN(アイオン)」などを活用するデータの高速転送に成功したと発表した。従来の技術を使った場合と比べて、転送時間を6分の1まで抑えた。人工知能(AI)の開発や画像処理など、膨大なデータをやり取りする場面での企業の利用を見込む。
このほど実施した実証実験では、独自開発したデータ転送ツールを搭載したサーバーを、東京都三鷹市と東京・秋葉原にあるDCにそれぞれ配置した。NTTが開発中の次世代通信基盤、アイオンの要素技術の一つである800ギガ(ギガは10億)ビット毎秒の速さの超高速通信に対応する光通信技術を使って両拠点を接続し、データを転送した。両拠点は約40キロメートル離れている。
大容量のデータ転送にかかる時間を従来の約6分半から1分強まで短縮できた。サーバー内のCPU(中央演算処理装置)の負担が5分の1に減ったことも確認した。AIの学習や画像処理といった分野で処理能力を柔軟に調整できるようになる。
AIの進化で必要な計算能力が高まり、電力供給やDC設備の環境対策など制約が大きくなっている。各地に点在するDCをうまく活用して、大量のデータを高速かつ効率的に処理する仕組みをいかにつくれるかが課題となっている。
ドコモビジネスは、2026年度にアイオンで接続した分散型DCを検証できる環境の提供を予定している。省エネタイプのDCとの組み合わせなど、AIの本格普及に対応できるクラウドサービスを展開するため、技術開発や環境整備を急いでいる。
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