
久光製薬の株価が7日、大幅に上昇して制限値幅の上限(ストップ高水準)となる前日比19%高の6200円で取引を終えた。2021年5月以来の高水準だ。前日夜にMBO(経営陣が参加する買収)で株式を非公開化すると発表。7日の株価はTOB(株式公開買い付け)価格の6082円を超えた。価格引き上げの思惑などが背景にある。
久光製薬株は7日の東証プライムの上昇率ランキングで3位だった。売買代金は200億円と、25年12月の1日平均に比べて30倍超となった。同社株はMBO実施の方針を固めたとの報道があった1月6日もストップ高水準となる前日比16%高と大きく上昇していた。
創業家出身の中冨一栄社長の資産管理会社がTOBを実施する。買い付け者が25年12月初旬に久光製薬に提示した当初提案は5280円だった。複数回の交渉の結果、6082円に引き上げられた。プレミアム(上乗せ幅)はMBO発表前日の26年1月5日終値対比で35%、同日までの6カ月間の終値平均値との対比で46%となる。

野村証券の前田晃太アナリストは、TOB価格を超える水準まで株価が上がる一般的な要因として「ショートカバー(売り方の買い戻し)や、アクティビスト(物言う株主)による対抗の買いを意識した動きなどの可能性が考えられる」と語った。
市場では、久光製薬がより良い買収提案の可能性を探る「積極的なマーケットチェック」を実施しなかったことが、TOB価格を超える株高の一因になっているとの見方もあった。積極的なマーケットチェックを経ない別の非公開化案件では、TOB価格の妥当性を巡り投資家から批判を受けた例があり、久光製薬にも矛先が向かう可能性はある。
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