開幕から1カ月、来場者でにぎわう大阪・関西万博の会場=大阪市此花区で2025年5月13日午後0時51分、本社ヘリから北村隆夫撮影

 民間シンクタンクのアジア太平洋研究所(APIR)は、大阪・関西万博のほぼ前半となる4月13日から7月末までの来場者の消費額について、3939億円との試算を公表した。2024年1月の時点では半年間の開催で8913億円と推計していた。稲田義久研究統括は「万博は後半に来場者数が増える傾向にあり、ミャクミャクグッズなどの売り上げも好調なため、上振れする可能性がある」と指摘した。

 APIRは万博会場を訪れた外国人と日本人計約900人にアンケートを7月に実施。これを基に会場での買い物代と飲食費、会場外での宿泊費と交通費から来場者の分類ごとに消費単価を推計し、日本国際博覧会協会(万博協会)が公表している来場者数から消費額を算出した。

 消費単価は外国人が8万7269円で、日本人は大阪在住者が1万874円、大阪以外の関西在住者が1万3187円、関西以外の在住者が2万5164円。外国人は3泊4日の旅程を想定したことから、宿泊費が全体の約7割を占めた。

 また、7月末までの一般の万博来場者数1236万人のうち外国人は263万人と推計。この結果、消費額は外国人が2298・7億円、日本人のうち大阪在住者は417・5億円、大阪以外の関西在住者は366・1億円、関西以外の在住者は784・3億円、加えてパビリオンのスタッフなど万博関係者(196万人)は72・5億円とした。

 万博期間全体で消費額8913億円とした前回の推計は消費単価の計算手法が異なり、国内日帰り客は2万4256円、国内宿泊客は3万4538円、海外客は1万8911円とし、来場者数は2820万人(うち外国人は350万人)と想定していた。【新宮達】

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