
台湾電子部品大手の国巨(ヤゲオ)は27日、芝浦電子へのTOB(株式公開買い付け)成立に必要な外為法上の審査について「経済産業省との協議が整った」と発表した。ヤゲオの外為法審査は2月以来、期限の延期が繰り返され長引いている。ヤゲオは9月10日までに承認を取得できると見込んでいるとした。
ヤゲオはこれまで審査の状況を明らかにしていなかったが、初めて協議の状況を公表した。協議が整ったことを踏まえ、同日に「関連法令に基づき必要となる各種届け出を実施する」とした。届け出の提出などに伴い、これまで9月8日までとしていたTOB期限を10日に延長する。
芝浦電子をめぐってはホワイトナイト(友好的な買収者)に名乗りをあげたミネベアミツミとの買収合戦になっている。ミネベアミツミは8月28日を期限として1株当たり6200円、ヤゲオは7130円で買い付けを進めている。芝浦電子の27日の終値は6520円と、ヤゲオの買い付け価格を下回りミネベアミツミの価格に近い水準で推移した。
ヤゲオが審査の状況を明かした背景には、審査が複数回延長されるなかTOBが成立しないことを不安視する芝浦電子の株主が、早期に現金化できるミネベアミツミのTOBに応募するのを防ぐ狙いがあるとみられる。
ミネベアミツミはヤゲオの審査結果にかかわらず28日までとする期限を変更しない方針を表明している。
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