福島市飯野町の農家でつくるNPO法人「結(ゆい)倶楽部」が、地元の耕作放棄地を活用して栽培した新品種の梅「露茜(つゆあかね)」を使った梅酒「福乃茜」を商品開発した。果肉そのままの真っ赤な色が印象的で、昨年造った分はほぼ完売した。今後は植え付けを増やし、ワインなどにも生かして「飯野の新しい特産品にしたい」と意気込む。
結倶楽部の須田正一(まさかず)理事長(73)が2016年から自宅近くの耕作放棄地に露茜の植え付けを少しずつ始めた。露茜は、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が茨城県つくば市で、梅と赤い果肉のスモモを交雑して開発した新品種で、ポリフェノールによる真っ赤な果汁が特徴だが、栽培方法が確立されておらず流通量も少ない。
収穫量を50キロまで増やせた23年、商品化を模索する中で大天狗(だいてんぐ)酒造(本宮市)に相談し、赤い果汁の美しさを生かすため純米酒に漬け込むことを提案された。25年は収穫量が230キロまで増え、うち130キロで約300本分の梅酒を製造。結倶楽部が連携協定を結んでいる福島学院大の学生らに瓶やロゴマークのデザインを依頼して商品化にこぎ着け、2カ月でほぼ完売した。
7日、福島市の馬場雄基市長に新酒の完成を報告。須田さんはその場で、残りの100キロで「吾妻山麓(さんろく)醸造所」(同市)が醸造したワインを3月にお披露目することを明かし「周りの農家も少しずつ植え始め、いずれは『飯野と言えば(かつて目撃情報が相次いだ)UFOと赤い梅』となれば」と期待。馬場氏は「問題として語られることが多い耕作放棄地から前向きなストーリーが生まれたことがうれしい」と喜ぶ。
問い合わせは大天狗酒造(0243・33・2017)へ。【錦織祐一】
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