協定を締結した静岡県の鈴木知事(右)とIHIの二瓶常務執行役員(27日、同県庁)

IHIと静岡県は27日、空飛ぶクルマの社会実装に向けて連携すると発表した。都市部での離着陸場「バーティポート」の整備を見据え、課題の洗い出しや機体の運航方法の検討を急ぐ。県は官民連携をテコに、2027年度にも観光遊覧飛行を始めたい考えだ。

都市部のバーティポートはビル屋上などを想定する。IHIが持つ立体駐車場開発の知見を生かし、複数の機体を入れ替えるシステムなどを検討する。IHIは和歌山県とも同様の連携協定を結んでおり、都道府県では今回が2例目となる。

同日の協定締結式で鈴木康友知事は「観光だけでなく医療、災害時、地域交通にも空飛ぶクルマを活用したい」と意気込んだ。IHIの二瓶清常務執行役員は国への提言を念頭に「民間のみでは難しいルール策定も進めたい」と応じた。

空飛ぶクルマを巡り、県は23年に朝日航洋(現エアロトヨタ)と組み、3次元点群データを使った仮想上の航路策定も進めている。スズキとスカイドライブ(愛知県豊田市)は24年に静岡県磐田市で製造を始めた。

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