
資生堂のシニアアドバイザーとして経営の助言役を担っていた元社長の魚谷雅彦氏が、2025年12月末をもって退任していたことが23日、わかった。同社は業績不振で25年12月期は過去最大の赤字を見込んでおり、構造改革や組織体制の刷新を急ぐ。
資生堂は日本経済新聞の取材に対し、「魚谷氏に委託していた財界活動などの役割について、社内における担当体制が整ったので契約を終了した」とコメントした。
同ポストは24年末に会長最高経営責任者(CEO)を退任した魚谷氏のために、25年1月に新設した。藤原憲太郎社長CEOに経営のかじ取りを託す一方、経営陣への助言や人材育成、国内外での講演活動などに関与していた。同社は同ポストの任期や報酬など契約内容を明らかにしていない。魚谷氏は退任により、資生堂の経営から完全に離れることになる。
魚谷氏は日本コカ・コーラ社長などを経て14年に初の外部出身の「プロ経営者」として資生堂社長に就任し、高級化粧品を軸にグローバル成長をけん引した。19年12月期には連結売上高1兆1315億円、営業利益1138億円と過去最高を更新した。
ただ、新型コロナウイルス禍で化粧品需要が急減すると、中国市場への依存が裏目に出て構造問題が表面化。21年にはヘアケア「ツバキ」などの日用品事業を売却した。業績が低迷するさなかの23年1月、藤原氏に社長を引き継いだ。
資生堂は業績低迷から抜け出せず、構造改革を急いでいる。25年12月期は買収した米スキンケアの不振で減損損失を計上したことで過去最大の520億円の赤字を見込む。日本や中国、米国など世界各地で人員削減にも踏み切った。25年12月末には執行役員3人が退任し、26年3月開催予定の定時株主総会では社外取締役ら3人の交代を諮る予定だ。
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