木村社長は「ミーツに新製品をどんどん並べる」と語る。同氏はアスクル創業メンバーの1人
キングファイルを小さくした「キングミニ」や、大きなメモリ表示で残り時間が一目で分かる「ビジュアルバータイマー」――。独創的な商品を生み出すキングジムが、社員同士やグループ会社とのコミュニケーションを活性化する環境づくりに力を入れている。
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その象徴が新設した「共創スペース」だ。2025年10月、東京都千代田区にある本社を刷新し、最大50人を収容する「KING JIM CREATIVE COMMONS "Meets(ミーツ)"」をオープンした。棚にはグループ会社の商品を並べた。

キングジムが新設した「KING JIM CREATIVE COMMONS "Meets"(ミーツ)」

ミーツには、あえてゆるやかに区切られたボックス型の会議スペースや、飲食しながら気軽に交流できるカフェカウンターを設けた。木村美代子社長は「働くことと休憩することの間に『話す』がある」と話す。

リモートワークが広がる一方で社員同士の交流や偶発的なコミュニケーションが減り、組織の一体感に課題を感じていた。机や棚は車輪付きで、自由に移動できる。狭いスペースを上手に活用する日本家屋のように、自由自在に形を変えられるようにしたという。

ミーツはグループ横断の交流や商品理解の場としても機能する。アスカ商会(名古屋市)が手掛ける造花や、ぼん家具(和歌山県海南市)の机などを取り入れた。ライフオンプロダクツ(大阪市)のキッチン家電は実際に使うことができる。同スペースを新製品の発表会やファンミーティングにも活用する予定だ。

キングジムはM&A(合併・買収)で事業領域を拡大してきた。雑貨、収納家具などのライフスタイル用品を成長の柱に据える一方で、これまで社員がグループ会社の商品を実際に手にとる機会が少なかった。

木村社長は「ライフスタイル分野を伸ばすという会社の方向性を感じとってもらえるよう、ミーツに新商品をどんどん並べたい」と意気込む。

キングジムはグループ会社の社長やキーマンが定期的に集まる機会を作り、強みや課題を共有している。例えば、商品撮影や電子商取引(EC)サイトでの販売ノウハウを相互に提供する取り組みを始めた。法人向けに手袋を製造・販売するウインセス(高松市)は、グループ会社の協力のもとECサイトの画像を改善した結果、アクセス数が約2割増えたという。

アスカ商会は造花の輸入販売を手掛ける。オフィスに飾るグリーンなど、品質を重視した高価格な業務用商品が中心だ。グループ会社との共同仕入れによるコストダウンを目指す。

木村社長は「地方の会社だからこそ考えられるアイデアもある。10年後を見据えて何をすべきか、逆算の視点でグループ会社と議論を重ねている」と話した。(甲斐嗣弓)

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