大阪・関西万博のパビリオン「アースマート」で展示されていた「いのちのはかり」 ©EARTH MART / EXPO2025

奈良県は、大阪・関西万博で人気を集めたシグネチャーパビリオン「EARTH MART(アースマート)」にあった体験型展示「いのちのはかり」を平城宮跡歴史公園(奈良市)内の施設「天平みつき館」へ4〜5月をめどに設置すると発表した。万博終了後の設備などを有効活用するため、出展者と引受先をマッチングする日本国際博覧会協会のサイト「万博サーキュラーマーケット ミャク市!」を使って譲渡を受けた。

「いのちのはかり」に食品サンプルを置くと、食材の背景にある人間や自然環境の営みをアニメーションで解説し、環境コストがわかる仕組み。例えば蜂蜜を置くと「ミツバチが一生かけて集める蜂蜜はわずか5グラム」と表示する。

人気パビリオン「アースマート」の中核的な展示のひとつが「いのちのはかり」だった(大阪市)

「アースマート」は放送作家の小山薫堂氏がプロデュースしたパビリオンで、「いのちのはかり」は中核展示のひとつだった。「ミャク市!」では6台が募集され、奈良県はうち5台を譲り受けた。

「いのちのはかり」は食材の背景にある人間や自然環境の営みを解説する ©EARTH MART / EXPO2025

奈良県は食品ロス削減に取り組んでいる。山下真知事はこの体験型展示を譲り受けた意義について「私たちの食生活は動植物の多大な犠牲のうえに成り立っていると実感することで、食べ残してはいけないという意識が県民の間に醸成されれば」と話した。

「いのちのはかり」を平城宮跡歴史公園に設置するのは、奈良県が同公園の県所有部分をこれから整備する計画とも連動している。奈良は日本の食文化のルーツが築かれた地として知られるため、県は「食」と「クリエーティブな活動」をコンセプトとして、飲食店などが集まる「食のハブ拠点」とする方針を打ち出している。その概念が「いのちのはかり」の理念と重なると判断し、今回の「ミャク市!」活用につながった。

「天平みつき館」(池に面した中央の大きな2つの施設のうち左側)で「いのちのはかり」が展示される(奈良市)=奈良県提供

奈良県は「いのちのはかり」の披露イベントを2026年のゴールデンウイークを中心とする時期に開催する方向でこれから調整する。平城宮跡歴史公園は奈良県を代表する観光拠点のひとつだ。万博レガシー(遺産)を活用することで、奈良の食文化を発信する拠点となるだけでなく、観光客や子供らの学びの場となることが期待される。

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