米政府はレアアースの脱中国依存に向け民間経営への介入を強めている(米西部カリフォルニア州のレアアース鉱山)=ロイター

【ヒューストン=赤木俊介】米国内でのレアアース(希土類)の採掘と製錬を目指す米USAレア・アースは26日、米政府から計16億ドルの資金援助を受ける方向で合意したと発表した。米政府は株式をおよそ1割取得する見込みだ。26日の米株式市場でUSAレア・アースの株価は前日終値比8%高と急騰した。

米証券取引委員会(SEC)への提出資料によると、米商務省は13億ドルの融資に加え2億7700万ドルの補助金をUSAレアアースへ提供する。補助金と引き換えに、米政府に発行済み株式の約1割に相当する普通株式を新規発行する。

また、融資の条件として今後10年間にかけて定額で株式を購入できる権利を米政府に与える。米政府が権利を行使すれば、今回の普通株取得と合わせてUSAレアアースの株式の最大16%を保有できる。

USAレア・アースは重要鉱物の採掘と製錬、そしてレアアース磁石の国産化を目指す。2028年から南部テキサス州のレアアース鉱山の操業を開始し、26年第1四半期から南部オクラホマ州で磁石の製造を始めるという。30年までにネオジム磁石の生産能力を年間1万トンに拡大する。

ラトニック米商務長官は26日の声明で、USAレア・アースへの資金援助は「米国の供給網の強靱(きょうじん)性を保障し、外国への依存からの脱却につながる」と説明した。レアアースは世界の産出量の7割以上を中国が占める。

レアアースは電気自動車(EV)のモーターや戦闘機の部品まで様々なハイテク製品に使用される。中国は25年4月に米関税政策への報復措置としてレアアースの輸出規制に踏み切り、経済安全保障の観点から中国への輸入依存が問題視されている。

トランプ米政権はレアアースの国内供給網を構築するため、民間企業への介入を強めている。米政府は25年にレアアースなど重要鉱物の採掘と加工を手掛ける米国やカナダの企業へ相次いで出資した。

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