
佐賀県唐津市は28日、みずほフィナンシャルグループ(FG)や東北大学などと「唐津ネイチャーファイナンス研究会」を設立した。地域の自然資本の増進(ネイチャーポジティブ)と経済成長の両立を目指す。市内の海や里山などが持つ価値を科学的な指標で可視化して取引可能な「ネイチャークレジット」を発行し、企業活動や環境保全に還元する環境価値取引の社会実装に乗り出す。
唐津市役所で同日、みずほFGや東北大学、ブルーカーボン創出のBLUABLE(ブルアブル、兵庫県宝塚市)の関係者らが研究会の設立を発表した。富士通や日本生命保険はオンラインで式典に参加した。金融機関を含めた産官学金の枠組みで、環境価値の可視化や金融メカニズムの構築を目指す取り組みは国内初という。
2026年度末までに陸域でのメカニズムの設計・実証をめざす。その後、唐津市の北に広がる玄界灘での設計・実証に向けた研究を進め、ネイチャーファイナンスの実現につなげる。
研究会では、唐津市を舞台に森林保全や海洋生態系改善の取り組みや成果を数値化し、その価値をクレジットとして売買するためのビジネスモデルや課題を整理する。東北大や研究会のメンバー企業が持つ海や森の二酸化炭素(CO2)吸収量の測定や生物多様性などの価値の定量化や評価に関する知見を生かして、取引可能なクレジットの組成化や取引市場の構築に取り組む。
日本生命は機関投資家の観点から、ネイチャークレジット市場の形成に向けて自然資本取引・投資への知見を提供する。みずほFGは研究に必要な資金を手当てするほか、顧客企業のクレジット創出や地域の環境保全活動への還元など社会全体が参加できる循環メカニズムに向けた調査研究や政策立案、提言作成を支援する。研究成果のとりまとめなど研究会の事務局的な役割も担う。
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