
大手対面証券5社の2025年4〜12月期決算が3日出そろった。合計の純利益は前年同期比13%増の7294億円だった。株高を追い風に個人の預かり資産に応じて得られる収益が増えた。企業のM&A(合併・買収)が活発で投資銀行業務などの法人取引も好調だった。
5社は野村ホールディングス(HD)、大和証券グループ本社、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJ証券HD。売上高にあたる純営業収益の合計は9%増の3兆6408億円となった。純営業収益は大和やSMBC日興、みずほが比較可能な範囲で過去最高となった。5社はいずれも増収増益となった。

25年10月に高市早苗首相が就任して以降、同年末にかけて日経平均株価は5万円前後で推移した。25年春はトランプ米政権の関税政策で市場が混乱したが、夏以降は株高や金利上昇を受けて顧客の投資意欲が旺盛だった。
個人・富裕層向けの営業部門では、投資信託や投資方針を決めた上で運用を一任するファンドラップの契約が各社で増えた。SMBC日興の後藤歩常務執行役員は「資産管理型ビジネスへの変革が着実に進んでいる」とみる。
各社は投信やファンドラップなど預かり資産に応じた収益を重視し、非開示の三菱UFJ証券を除く4社合計で1割以上増えた。新規の預入資産が1兆円を超えた大和の同収益は898億円と過去最高となった。吉田光太郎最高財務責任者(CFO)は「利益確定売りを出す顧客もいるが、それを上回る勢いで貯蓄から投資の流れが進んだ」と話す。

野村や大和は残高に応じた収益による費用のカバー率が7割前後で推移する。野村は30年にこの割合を8割以上とする目標を掲げる。森内博之財務統括責任者は「カバー率が着実に伸びており、非常に手応えを感じている」と述べた。両社とも株式などの売買手数料収入に左右されやすい収益構造から脱却し、業績の安定を目指している。
法人部門も各社好調だ。M&A助言など投資銀行業務の純営業収益は5社とも伸びた。25年は日本企業が関わるM&Aが金額・件数ともに過去最高になり、相次ぐ株式非公開化などで投資銀行のビジネスが広がった。「日米ともにM&A市場が好調で、確実に案件を遂行できた。26年の見通しも明るい」(みずほ証券の上野哲CFO)という。
証券各社は株高に沸く一方、国債利回りの急上昇(価格は急落)など債券市場の波乱に身構える。債券のトレーディング業務などで損失が生じるリスクがあるためだ。三菱UFJ証券の本城史朗CFOは「現状はうまく対応できているが、今後大きな損が出ないよう気をつけなければならない」と話す。
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