ダイキン工業は4日、2026年3月期の連結純利益が前期比1%増の2680億円になる見通しだと発表した。6%増の2800億円としていた従来予想から下方修正したが、過去最高益予想は維持する。化学事業で半導体製造装置向けのフッ素樹脂の受注が急減した。

売上高は3%増の4兆9200億円と従来予想から800億円引き上げた。主力の空調事業は世界的に家庭向けエアコンが不況だが、データセンター向けなど大型空調が堅調に推移した。営業利益は化学事業の低迷で220億円引き下げ、3%増の4130億円を見込む。

半導体製造装置向けのフッ素樹脂は、25年4〜9月に需要が旺盛だったものの、顧客の在庫調整もあり、10月以降は需要が減少した。化学事業の4〜12月期の営業利益は前年同期比45%減の181億円だった。

同日開示した25年4〜12月期の連結売上高は2%増の3兆6663億円だった。前年同期に発生していた金利負担などが減少し、純利益は5%増の1953億円だった。化学事業の低迷もあり営業利益は3%減の3079億円だった。

25年4〜12月期の空調事業の売上高は2%増の3兆4012億円、営業利益は1%増の2883億円だった。最大市場の米国を含む米州は、売上高が3%増の1兆4067億円だった。データセンター向けの大型空調「アプライド」は生成AI(人工知能)の需要増を受けて引き合いが増え、受注が堅調だった。

市場が振るわないのが米国の家庭向け空調「住宅用ユニタリ」だ。住宅ローン金利の高止まりで新築住宅の販売が低迷。卸売先の販売店が仕入れを控えたことを受け、出荷台数は低迷した。ただ競合も苦戦する中、冷媒規制の強化に対応した製品の普及が進み、ダイキンの現地市場シェアはむしろ高まったようだ。

国内空調事業の売上高は6%増の5051億円と、主要地域別では欧州と並び最も増加率が高かった。25年夏の猛暑や電気代の高騰を受けて、省エネ性の高いルームエアコンの販売が増えた。業務用エアコンもインバウンド(訪日外国人)の増加で商業施設の着工数が増え、好調だった。

中国を除くアジアやオセアニアは6%減の4717億円だった。インドや東南アジア諸国ではトランプ米政権の関税政策への警戒感から景気が低迷した。洪水や地震など災害の影響も受けた。

27年3月期は増益を確保しつつ、売上高で初の5兆円に到達するかどうかも焦点になる。インドや東南アジアは引き続き景気低迷の影響を受けるものの、米国は住宅ローン金利の低下や、販売店の仕入れ増が見込めるため復調が予想される。

データセンター向けも引き続き好調だ。ダイキンはサーバールームを空気で冷却する装置に加え、サーバーを積んだラックを個別に冷却する技術や、チップを冷却液で冷やす技術も持つ。31年3月期には北米のデータセンター向け冷却事業の売上高を足元の約3倍となる3000億円以上とする方針だ。

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