チューリッヒ保険グループが買収提案額を引き上げ、ビーズリーが合意した=ロイター

【ロンドン=南畑竜太】英保険会社のビーズリーは4日、チューリッヒ保険グループによる買収について同社と基本合意したと発表した。1月には1株あたり12.8ポンドでの買収提案を退けていたが、チューリッヒが提案額を13.1ポンドに引き上げたことで合意した。成立すれば買収額は約80億ポンド(約1兆7000億円)になる見通しだ。

チューリッヒは今後、基本合意に基づきデューデリジェンス(資産査定)を行い、法的拘束力のある買収契約の締結を目指す。

ビーズリーは特殊保険に強みがある。2024年12月期の保険料収入(約61.6億ドル)のうち、サイバー保険が約12.7億ドル(約1400億円)と5分の1を占め、紛争リスクや環境汚染の賠償責任などニッチな特殊保険が収入の多くを占める。25年も増収を見込む。

同分野の強化を掲げるチューリッヒはこれまでもビーズリーに買収を提案してきた。2025年6月に1株あたり13.15ポンドで提案したが、業績悪化を背景に提示額を引き下げた。1月に提案した2度の買収額はいずれも「著しく過小評価」としてビーズリーが拒否。今回は当初の提示額とほぼ同水準の13.1ポンドに引き上げ、合意にこぎ着けた。

チューリッヒは自動車保険や住宅保険が主力だ。特殊保険の保険料収入は24年12月期に94億ドルとビーズリーを上回るものの、成長領域とされるサイバー保険は全体のわずか4%に過ぎなかった。

買収後の特殊保険分野の保険料収入は150億ドルを超え、世界有数の規模になる見通しだ。買収を通じ保険商品のラインアップを広げ世界最大の保険市場を運営する英ロイズ保険組合での存在感を高める狙いがある。

発表を好感して4日の欧州株式市場ではビーズリー株が一時、前日終値比9%高まで上昇した。チューリッヒ保険グループも同4%高をつけた。

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