レグミンは自律走行型の農薬散布ロボットなどを開発している=同社提供

自律走行型農業ロボットの開発などを手がけるスタートアップのレグミン(埼玉県深谷市)は地域のガス会社と連携し、間接業務を代行するビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)により農薬を散布するサービスを拡大する。まずは1月、静岡ガスの子会社と連携し、静岡県内で実証事業を開始した。

連携するのは、静岡ガスのグループで、液化石油(LP)ガスの配送を担う静岡ガスサービス(静岡市)。地域密着で強固な顧客網を持つガス事業者と組むことで、レグミンのサービスを効果的に浸透させる狙いがある。2026年には、埼玉県や群馬県などでも同様のサービスを実証する計画だ。

レグミンは全地球測位システム(GPS)測位など様々な技術を通じ、高精度で自律走行をする農薬散布ロボットを開発している。ハードウエアの開発にとどまらず、専用の散布支援アプリなども提供。農業の初心者でも導入しやすい点を強みとしている。

技術開発と並行し、自社のロボットを活用した農薬散布の受託サービスも運営している。同社が本社を置く深谷市は近年、アグリテックの集積として注目が集まっており、同社も農薬散布のBPOサービスの運営ノウハウを蓄積してきた。

このノウハウを標準化し、連携するガス事業者などに展開する。ガス業者は全国に所在しており、「横展開可能なビジネスモデルを構築できることがメリット」(同社)という。

このほど静岡ガスサービスとの間で実証契約を締結。浜松市や磐田市周辺を中心に、サービスのニーズなどを探る。レグミンがロボットや付随備品などを提供し、静岡ガスサービスが実際の農薬散布作業などに当たる。

農薬散布の繁忙期である夏場は、LPガス事業者にとっては閑散期だ。LPガス事業者は既存の人材や拠点、トラックなどを有効活用でき、双方にとってメリットのある事業展開が可能となる。

レグミンによると、今年は静岡、群馬、埼玉など計4県で実証を予定している。その後も順次エリアを拡大していく計画だ。フランチャイズビジネスのモデルを構築することで、農業の人手不足の解消につなげるとともに、若者をはじめとした新規参入の障壁を下げる好循環を生み出す。

足元でも資金調達を進める。埼玉県のイノベーション拠点「渋沢MIX」の開業に合わせ、県内金融機関などが25年に設立したファンドは、第1号の投資先としてレグミンを選定している。埼玉を代表するベンチャーの1社として注目が集まる。

株式投資型クラウドファンディング(CF)「FUNDINNO」を通じた新株予約権発行、埼玉りそな銀行による融資なども実行された。累計の資金調達額は9億3000万円に上る。

(荒牧寛人)

【関連記事】

  • ・静岡ガス系、農薬散布業務を受託 LPG配送車を有効活用
  • ・武蔵野銀、地域創生ファンドを増額 埼玉県内の創業支援強化
  • ・深谷の新興、ネギ畑で農業ロボ磨く 開発×農作業の妙
地域ニュース

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。