記者会見に臨む小林製薬の豊田賀一社長(10日、大阪市)

小林製薬は10日、2028年12月期まで3年間の中期経営計画を発表した。紅麹(こうじ)を含むサプリメントによる健康被害問題で毀損した信用や収益の回復に向け経営を改善し、連結営業利益を最終年度に前期比48%増の220億円へ引き上げる。監査等委員会設置会社への移行など企業統治改革も急ぐ。

26年12月期からの新中計では、消炎鎮痛剤や洗眼薬といった医薬品の輸出拡大などで売上高は1880億円と13%伸ばす。ブランドを絞り込んで製品数を3割減らし、コスト効率を高める。自己資本利益率(ROE)は10%と、25年12月期末の1.7%から健康被害問題発覚前の水準まで戻す。

期間中の累計で最大1000億円のM&A(合併・買収)投資枠を設けた。アジアや欧州でヘルスケア製品に関わる企業やブランドを買収する方針だ。

豊田賀一社長は大阪市で開いた記者会見で健康被害問題の補償について「現状で判明している510人の方々から急激に増えることはない」との見方を示した。そのうえで「最後の1人まで誠実に対応させていただく」と強調した。

3月27日に開く定時株主総会で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行するための定款変更議案を諮る。社外取締役の候補者3人を監査等委員とする。

筆頭株主である香港投資ファンドのオアシス・マネジメントが定時株主総会に出した株主提案について、小林製薬は4議案全てに反対すると決めた。オアシスは、自ら推薦する監査役の選任や、取締役会議長を社外取締役とするための定款変更などを求めている。創業家出身で元社長の小林章浩氏らの取締役再任には反対するよう株主に呼びかけている。

10日、26年12月期の連結純利益は前期比2.7倍の100億円になる見通しだと発表した。前期に計上した仙台市とタイの新工場の減損損失146億円の影響がなくなることが大きい。売上高は4%増の1730億円、営業利益は16%減の125億円を見込む。再開した広告の効果が通期で表れるが、新工場の建設で減価償却費が膨らむ。

同日発表した25年12月期の連結決算は、純利益が前の期比64%減の36億円だった。売上高は微増の1657億円、営業利益は40%減の149億円となった。

【関連記事】

  • ・オアシス、小林製薬の定時総会に株主提案 「創業家の影響を低減」
  • ・紅麹問題の小林製薬、稲盛イズムで変わるか 企業を動かすのは人
  • ・小林製薬社長「企業統治、創業家に理解求める」 広告は夏に本格再開

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。