
日本原子力発電の東海第2原子力発電所が立地する茨城県東海村と周辺5市の首長でつくる原子力所在地域首長懇談会は12日、原発施設を視察した。同敷地内で火災が相次いだことに対し、山田修村長は「住民の信頼性に大きく関わる。火災を起こさないことを徹底してほしい」と注文した。
再稼働への実質的な事前了解権を持つとされる同村、水戸市、ひたちなか市、那珂市、常陸太田市、日立市の首長が出席した。日本原電からは坂佐井豊・常務取締役東海事業本部長らが出席し、火災の再発防止策や防潮堤の補強工事などを説明した。その後、山田村長らが報道陣の取材に応じた。

東海第2では2025年2月に中央制御室で制御盤から発火するなど、22年9月以降、13件の火災が発生している。日本原電は25年8月に再発防止策をまとめたが、26年1月にも展示施設の空調機器の電源盤の変圧器で溶けた跡が見つかった。
工事が中断している防潮堤の補強工事については、工法を検証するための実寸大模型を首長らが見学した。約10メートル四方、高さ約3メートルの鉄筋の構造物で、取水口横にある深さ約60メートルの2つの空洞の内部に積み重ね、コンクリートを充塡する。穴の外側も鋼管杭で補強し取水口の横の防潮堤の基礎の強度を高める狙いだ。

取水口横の防潮堤の基礎部分ではコンクリートが詰められていない隙間があるなど施工不良が見つかり23年に工事を中断した。日本原電は24年にコンクリートで内部を充塡するなどの工法を提案したが、原子力規制委員会から変更を求められ、補強工事の工法を提案し直している。

日本原電は補強工事について「規制委から構造面ではおおむね妥当との判断をもらった」としているが、実際の工法の認可や施工計画の立案はこれからだ。防潮堤などの安全対策工事の完成時期を26年12月としていたが、日本原電の村松衛社長は1月に「非常に厳しい」と発言し、工期が延びることを明らかにした。
新たな工法での完成時期については、12日の首長懇談会の場でも言明しなかった。
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