日本公認会計士協会は17日、生命保険会社が保有する債券の会計上の取り扱いを見直す案を発表した。長期間の保険契約を抱える生保に認められた「責任準備金対応債券」の会計上の取り扱いを変える。金利上昇で債券価格が下落しても減損処理する必要がなくなり、国債などを長期間保有しやすくなる。
生保は保有する公社債の大半を責任準備金対応債券として保有している。最大手の日本生命保険は公社債約30兆円のうち、約27兆円が責任準備金対応債券だ。従来は時価が簿価を50%下回り、回復の見込みがない場合は減損損失を計上する必要があった。見直し案では時価による減損判断をしないとした。
金利上昇に伴い、生保が保有する債券の含み損は拡大している。日本生命、第一生命保険、明治安田生命保険、住友生命保険の大手4社の含み損額は2025年9月末時点で11兆3000億円と、3月末に比べて3割増えた。大手生保幹部は見直し案について「目先の減損にとらわれず、より長い目線で債券の運用ができるようになる」とみる。
金融商品の会計ルールを巡っては、企業会計基準委員会(ASBJ)が25年10月に新基準の草案を公表し、満期保有目的債券などについて時価による減損判断をしないとした。新基準の対象に責任準備金対応債券を含めるかどうかは、保険業の監査実務を担当する日本公認会計士協会が議論してきた。
日本公認会計士協会は満期保有目的債券などと同様に、責任準備金対応債券は時価による減損判断はしないとした。正式な会計ルールとして定められる時期は未定だ。
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