「天叢雲」のデザインを説明する水戸岡鋭治さん=松江市のホテルで2026年2月18日午前10時32分、上野宏人撮影

 「ばたでん」の愛称で知られるローカル鉄道「一畑電車」(島根県出雲市、谷口学社長)は、新型車両「10000系」2両を2026年11月に導入すると発表した。JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」を手掛けた水戸岡鋭治さん(78)がデザインし、通勤通学などの日常利用と観光利用を兼ね備えた設計。愛称は出雲神話にちなみ「天叢雲(あめのむらくも)」とした。【上野宏人】

「豪華で楽しさ詰まっている」

一畑電車が導入する新型車両のイメージ=一畑電車提供 Design &lllustration by Eiji Mitooka + Don Design Associates

 同社は松江市と出雲市を宍道湖北岸で結ぶ路線を持ち、松江城や出雲大社などの観光地を抱える。沿線の足と観光の相反する需要に応えるため、鉄道デザインで著名な水戸岡氏に設計を依頼した。

 車両は現行の「8000系」がベース。ロングシートやソファ席、テーブルを備えたボックスシートや窓に向いたカウンター席など多彩な座席を配置し、1両の座席定員は49人。床や天井などに木材をふんだんに使う。

一畑電車が導入する新型車両内部のイメージ=一畑電車提供 Design &lllustration by Eiji Mitooka + Don Design Associates

 飲食を提供する設備を備え、27年度以降は、車内で食事を提供するなど、イベント列車を計画する。

 愛称は社内で検討した。「天叢雲」は出雲神話でスサノオノミコトが退治したヤマタノオロチの尾から出た神剣で、三種の神器の一つ。外装には次々とわき出る雲を連想させるラインが入る予定。

 松江市のホテルで記者会見した水戸岡さんは「コンパクトだけど豪華で楽しさが詰まっている」と話した。

 沿線人口が減少する同社は「みなし上下分離方式」を導入し、設備投資や維持修繕で沿線自治体から支援を受ける。25年6月には国の鉄道事業再構築実施計画の認定を受け、新型車両を導入することになった。製造費は2両8億5800万円を見込み、国、県、松江、出雲両市が負担する。

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