イーライ・リリーの「ゼップバウンド」㊧と競合ノボノルディスクの「ウゴービ」=ロイター

【ヒューストン=赤木俊介】米製薬大手イーライ・リリーは23日、月4回の投与を1本の注射で済ませられる利便性を高めた肥満症治療薬「ゼップバウンド」の販売認可を米当局から得たと発表した。デンマークの競合ノボノルディスクは同日、開発中の次期肥満症薬が臨床試験(治験)で減量効果がリリーの製品を下回り株価が急落した。

リリーが米食品・医薬品局(FDA)から販売承認を得たペン型注射器は、1週間に1回の投与が必要なゼップバウンドを1本で計4回分投与できる。これまでは1回で使い捨てる注射器を4本用意する必要があった。利便性を高め患者の負担軽減につなげる。同社の糖尿病治療薬「マンジャロ」も同じ複数投与が可能な注射器で提供している。

対する競合ノボは23日、肥満症患者向けの次世代薬「カグリセマ」の減量効果がゼップバウンドの有効成分であるチルゼパチドを下回る治験結果を発表した。

カグリセマは84週間の投与で23%の体重減が確認された半面、チルゼパチドは同25.5%の減量につながった。米株式市場では失望売りが広がり、ノボの株価は米東部時間の正午時点で前日終値比15%以上下げた。リリーの株価は同4%以上上げた。

米国では肥満症薬の市場が急成長し、リリーとノボがシェア争いを続けている。ゼップバウンドは2025年通年で135億ドル以上の売り上げを記録し、リリーの主力製品の1つとなった。成長期待からリリーの時価総額は25年11月に一時1兆ドルに到達した。

ノボは26年1月から経口タイプの肥満症治療薬「ウゴービ」の販売を開始し、リリーも経口タイプの肥満症薬を開発している。ウゴービやゼップバウンドはGLP-1受容体作動薬と呼ばれる薬で、食欲を減らす効果がある。副作用に腹痛や吐き気がある。

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