トランプ米大統領=ワシントンのホワイトハウスで2026年2月20日、松井聡撮影

 トランプ米大統領は23日、自身のソーシャルメディアで「米連邦最高裁の判決で『駆け引き』をしようとする国は、従来よりはるかに高い関税に直面するだろう」と述べた。高関税をちらつかせ、20日の最高裁の違法判決で「相互関税」などが無効になる場合でも、各国に貿易合意を順守するように圧力をかけた。

 相互関税に代わる新関税は米東部時間24日午前0時1分(日本時間24日午後2時1分)に発動する見込みで、米政権は看板政策である「トランプ関税」の再構築を急いでいる。

 新関税は通商法122条に基づく措置で、全ての国・地域が対象。この条項は、大統領が連邦議会の承認なしで最長150日間の関税を課すことができると規定している。当初の関税率は10%だったが、トランプ氏はわずか1日で方針を見直し、上限に当たる15%への引き上げを表明した。ただ、最初から15%にするのか10%関税を発動した後に引き上げるかなどの詳細は明らかにしていない。

 これとは別に、トランプ政権は通商法301条を根拠とした関税を発動するため、事前調査に乗り出す方針を示している。調査には一定の時間を要するが、発動期間の制約がないため、301条に基づく関税を柱に据えるとみられる。この際、トランプ政権は貿易合意の履行状況に不満がある相手国に対し、高い関税率を設定する可能性がある。

 これに先立ち、欧州連合(EU)の欧州議会は23日、米EU間での関税交渉の合意内容の批准を延期した。批准は、トランプ氏がデンマーク自治領グリーンランドの領有を目指して欧州8カ国に追加関税をかけると表明(その後に撤回)して緊張が高まった際にも一時延期されていた。

 トランプ氏が場当たり的な関税政策を打ち出す事態は「予見可能性」(EU高官)を重視してきたEUにとって避けたい展開だ。批准延期は「トランプ関税」を巡る不透明感が増す中で交渉カードを温存する狙いがあった。

 ただ、トランプ氏はこうした動きに不満を抱いた可能性もある。各国・地域の対応によっては通商分野で対立が深まる恐れがある。高関税をテコに相手国に譲歩や行動変容を迫るトランプ氏の姿勢は今も変わっていないようだ。【ワシントン浅川大樹、ブリュッセル岡大介】

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