トランプ米大統領=ワシントンのホワイトハウスで2026年2月20日、松井聡撮影

 トランプ米政権は米東部時間24日午前0時1分(日本時間24日午後2時1分)、全ての国・地域からの輸入品に対する新たな関税を発動した。連邦最高裁の違法判決で「相互関税」などが無効となったのに伴い、別の法律を根拠とする関税で代替した。税率は10%だが、トランプ大統領は条文で規定された上限の15%を課す意向を示しており、今後引き上げられる可能性がある。

 これに先立ち、米税関・国境警備局(CBP)は22日、相互関税や合成麻薬フェンタニル対策で中国やカナダ、メキシコに課した関税の徴収を23日で終了すると輸入業者に通知した。

 新関税の税率は一律となるため、これまで異なる税率だった各国・地域は明暗が分かれる。ブラジルや中国、インドは相互関税以外に個別の関税が課されていたため引き下げ幅が大きい一方、米国と10%の相互関税で合意していた英国は上昇する可能性がある。15%となれば日本や欧州連合(EU)は据え置きの形となる。

 新関税は通商法122条に基づく措置。「大規模かつ深刻な」国際収支の赤字がある場合、大統領の裁量で最長150日間の関税を課すことを認めた規定を適用する。米メディアによると、これまで適用事例はない。延長には連邦議会の承認が必要だが、野党・民主党が阻止する動きを見せるなど延長できない事態も想定される。

 このためトランプ政権は、新関税を「つなぎ」と位置付け、「期限切れ」となるまでに、別の通商法301条に基づく関税発動も検討している。米通商代表部(USTR)による事前調査が必要なため、グリア代表は主要な貿易相手国の大半を対象に、広範な分野で調査を実施する考えを示している。

 一方、トランプ政権は鉄鋼やアルミニウム、自動車などの分野別関税を課しているが、これらは別の法律による関税であるため、税率などは一連の新関税の影響を受けない。【ワシントン浅川大樹】

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