マウスを使った実験で髪の毛を作る器官を作ることに成功した=オーガンテック提供

理化学研究所や医療スタートアップのオーガンテック(東京・中央)はマウスを使った実験で髪の毛を作るのに重要な細胞を発見したとする研究成果を国際学術誌で報告した。髪を作るのに必要な細胞はこれまで2つ特定されていたが「第3の細胞」を加えることで、毛を作る器官を人工的に作れた。ヒトに応用すれば脱毛症の新たな治療方法の開発につながる可能性がある。

理研の客員主管研究員を務め、オーガンテックの会長兼創業者の辻孝博士らによる研究成果で、国際学術誌「バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ」に掲載された。

髪の毛を作る器官である「毛包」を再生できれば、脱毛が進行したあとでも発毛するようになる可能性がある。辻氏らの従来の研究では「上皮性幹細胞」と「毛乳頭細胞」という2種類の細胞を組み合わせて毛包のもとを作り、移植することで毛が生えると示してきた。

ただ、この研究では皮膚に移植した後に、別の細胞が周辺から毛包のもとに加わり、毛が生えていた。完全な毛包を作るには別の細胞が必要だと考えられていた。

今回の研究では細胞を分離する特殊な手法を用いて、大人のマウスの毛包から「毛包再生支持細胞」を突き止めた。今回見つけた細胞を加えると、毛包を完全に人工的に作れるとわかった。研究チームは2026年末〜27年にも、今回見つけた細胞をヒトに投与する臨床研究を実施する計画だ。

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