竹焼酎の注入方法は「企業秘密」と話す薩摩翁の堂園幸正社長=福岡市博多区で2025年5月22日午後4時17分、井上和也撮影

 「感謝」「いつもありがとう」。竹筒の周りにメッセージが彫られている。中に焼酎を入れた「竹焼酎」だ。手に取って見てみると、節は全て塞がっていて詰め口が見当たらない。どのようにして焼酎を入れたのだろう。

 商品の製造販売を手掛ける鹿児島市の会社「薩摩翁」の堂園幸正社長(43)に疑問をぶつけると、「企業秘密です」とぴしゃり。「飲みながらみんなで考えてください」と笑顔が返ってきた。

 竹林面積が都道府県別で1位という鹿児島県。容器のモウソウダケは地元産で、竹林で使えそうな3年以上の竹を伐採し、商品用のサイズにカットする。

 そこへ独自の技法で鹿児島の芋焼酎を封入する。詰めて5~10日たつと竹のミネラルが溶け込み、まろやかな飲み口になるという。飲む際には、節に付属するアイスピックで穴を開けて注ぐ。

 堂園さんはもともと、記念品に名前を彫刻する工房「サンドブラスト」を運営し、受注する仕事の一つとして、竹焼酎の容器にメッセージを彫っていた。

竹筒の中に焼酎が入った「竹焼酎」=福岡市博多区で2025年5月22日午後4時15分、井上和也撮影

 ところが2017年、竹焼酎の製造主が事故に遭い、事業を引き継ぐことに。突然の新たな事業へのチャレンジだったが「人々をあっと驚かせたい」「地域環境の改善の役に立ちたい」との思いで走ってきた。

 年間約2000本を生産。18年に福岡インターナショナル・ギフト・ショーでグランプリに輝いたこともあり、贈り物で重宝される。最も多いのは6月の「父の日」で、25年は約400本の注文があった。

 5月に初の県外出展として、福岡市内のアンテナショップ「DOCORE(どぉこれ)」に2週間商品を並べた。今後は「日本酒での商品化や海外への販路開拓」も視野に入れている。【井上和也】

竹焼酎

 基本は3合(540ミリリットル)の「篤姫」(4000円)と5合(900ミリリットル)の「薩摩翁」(5000円)を販売。それ以外の量でも注文に応じる。名前などの彫刻は文字のみで2500円から、デザイン入りで5000円から。薩摩翁(099・802・1217)。

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