ホルムズ海峡を通過する石油タンカー=2018年12月21日、ロイター

 欧州のガス価格の指標となるオランダTTFは2日、前週末終値比で一時50%超急騰した。ホルムズ海峡の事実上の封鎖に加え、イランが湾岸諸国のエネルギー関連施設を攻撃したことで、原油だけでなくガスの供給リスクが懸念された。トランプ米大統領はイランとの長期戦も辞さない構えで、世界のエネルギー市場に混乱が広がりつつある。

 国営カタールエナジーは2日、液化天然ガス(LNG)の生産停止を発表した。カタール国内の工業都市2カ所で、LNG関連施設がイランのドローン攻撃を受けたことが伝わり、供給懸念が広がった。

 カタールは世界有数のLNG輸出国で、輸出量全体のシェアは2割近くを占める。大半は中国やインド、韓国などアジア向けだが、輸出に支障が出れば、欧州も巻き込む形でLNG争奪戦となり、ガス価格が上昇するとみられている。2日のTTFは一時、前週末の終値より約52%高い1メガワット時当たり48ユーロ台半ばを付け、約1年ぶりの水準まで上昇した。

国営カタールエナジーの液化天然ガス(LNG)生産施設=カタール北部ラスラファンで2026年3月2日、ロイター

 日本にとっては、カタール産LNGの供給が停滞しても直ちにLNG不足に陥る事態は考えにくい。財務省によると、2025年のLNG輸入量に占めるカタールの比率は5・3%だった。

 ただ、取引価格が高騰した場合、個別取引によるLNG調達コストがかさむため、電気や都市ガスの料金が値上がりする可能性もある。【ワシントン浅川大樹】

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