
カネカは19日、基礎化学品エチレンからつくる樹脂などの一部を値上げすると発表した。ホルムズ海峡の事実上の封鎖によりエチレンの原料となるナフサ(粗製ガソリン)の調達が困難になり、国内でエチレンの減産が相次いでいる。16日には信越化学工業が塩化ビニール樹脂の値上げを発表するなど、価格転嫁の動きが広がっている。
値上げするのは塩化ビニール樹脂、発泡ポリオレフィン製品、ポリイミドフィルムなどの8製品群。4月1日からの納入分を対象に値上げする。塩化ビニール樹脂は1キログラム当たり35円以上、発泡ポリオレフィン製品は1キログラム当たり150円、ポリイミドフィルムは1平方メートル当たり20%の値上げとなる。
一般的には樹脂などはナフサの市況価格に連動して価格も連動するが、エチレンの調達難を加味して値上げする。カネカはエチレンの調達先を複数持つが、三井化学や三菱ケミカル、出光興産など各社が減産を始めている。カネカは「足元で確認できている範囲を価格に盛り込んだが、今後の情勢次第でさらに対応が必要になる」とした。
エチレンからつくる塩ビや発泡ポリオレフィンなどは、住宅向けの配管材や自動車のバンパーなどに使われる。兵庫県や茨城県にある工場で主に生産している。ポリイミドフィルムはナフサ由来の別の基礎化学品を原料として滋賀県の工場でつくっており、プリント基板やモーターの電線被覆材料などに使われている。
同日、三菱ケミカル子会社の日本ポリケムが過半以上を出資する日本ポリエチレン(東京・千代田)と日本ポリプロ(同)の2社も、汎用樹脂のポリオレフィンを値上げすると発表した。
4月1日からの納入分を対象に、ポリエチレンの全製品で1キログラムあたり90円以上、ポリプロピレンも全製品で同80円以上を値上げする。値上げ幅の割合は非開示とした。
ナフサ価格の高騰や、エチレン生産設備からの基礎化学品の調達減などを踏まえ、自助努力のみでの吸収は困難だと判断した。ポリオレフィンでは国内最大手で三井化学と出光興産が共同出資するプライムポリマー(東京・中央)も値上げを発表している。
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