
堀場製作所は21日、京都市内で開いた定時株主総会で、堀場厚会長兼グループ最高経営責任者の取締役再任案を可決した。半導体事業への集中を求める株主の香港投資ファンド、オアシス・マネジメントが再任への反対を表明しており、動向が注目されていた。
総会は午前10時に始まり、60分で終了した。会場には前年より20人多い100人の一般株主が出席し、質問数は6問だった。堀場会長を含む9人全員の取締役選任を可決した。賛成率は後日開示される。
オアシスは堀場製作所株の9.9%を保有する大株主。堀場製作所は半導体製造装置に組み込むガス流量制御装置が好調で、連結営業利益の8割超を半導体事業が稼ぐ。一方、自動車性能計測やバイオ・ヘルスケアなど収益性が劣る事業を抱えているとオアシスは批判していた。構造改革が進まない原因は堀場会長にあるとして、同氏の取締役再任に反対を表明した。
オアシスのセス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)は総会前に実施した日本経済新聞の取材で、非半導体事業について「勝ち目があるなら勝ちにいくべきだし、そうでないなら売却すべきだ。事業の選択と集中で、株価は現在から105%以上上昇する余地がある」と述べた。
総会でオアシスの出席者は、課題に対する堀場会長の認識について質問した。これに対し、足立正之社長が「(会社が)事業を柔軟に変化させる体質を持っていることを理解してほしい。エネルギーやメディカルの事業は構造改革を進めている」と答えた。自動車向け計測事業ではチェコ工場を閉鎖するほか、燃料電池の試験事業も需要に応じて一時的に縮小する方針だ。
堀場会長は総会の締めくくりに「(事業の成否で)『10割打者』はいない。技術、開発、人材ベースの価値観を失わずに、このポジションにいる」と述べた。堀場製作所は今回の総会で、オアシスの主張に対して一定の理解を示しつつ、複数の事業を手がける利点を強調したかたちだ。
総会に出席した京都市在住の70代男性の株主は「半導体は浮き沈みが激しいため、複数の事業を抱える意義は大きい」と話した。別の60代男性株主は「自動車向け計測事業の一部がうまくいっていないのは事実で、会社側には丁寧に事業方針を説明してほしい」と述べた。
オアシスは今後も堀場製作所側と対話を続ける方針だ。フィッシャー氏は「これ以上保有を増やすことも考えている。取締役の推薦を含めて、やれることはたくさんある」と話す。堀場製作所は8月に、2028年12月期までの5カ年の中期経営計画の見直しを公表するとしており、構造改革の方針が注目される。
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