価格高騰が続き、消費者のコメ離れが進んでいるとみられる

農林水産省は23日、2025年産の主食用米の需要量が691万〜704万トンになるとの試算をまとめた。25年10月末時点の見通しは697万〜711万トンで、最大7万トンの下方修正となる。価格高騰が続き、消費者のコメ離れが進んでいるとみられる。

23日に開いた同省の食料・農業・農村政策審議会の食糧部会で示した。

26年6月末までの1年間の需給を玄米ベースで試算した。25年産の生産量は747万トンで、供給が需要を上回る見通しとなった。26年6月末時点の民間在庫量は221万〜234万トンになると予想した。25年10月末時点の215万〜229万トンから増える。

コメは保存がきく玄米を白米に加工して販売するのが一般的だ。農水省は白米への加工実績をもとに、1人あたりの消費量を25年10月末時点の数字から500〜800グラム下方修正した。

背景には消費者のコメ離れがあるとみられる。大手コメ卸の幹部は「店頭価格が高騰した結果、コメの売れ行きが落ちている。在庫は多いままだ」と指摘する。

農水省は25年産から主食用米の需給見通しの発表方法を変えた。それまでは7月ごろに年1回公表していたが、不定期に幅をもたせた数値で示すことにした。

「令和のコメ騒動」を受け、人口減によって需要が減るとの予測を軸に生産量を調整する従来手法の限界があらわになった。訪日外国人客の増加や猛暑による精米の歩留まり低下といった変化に対応する。

農水省は民間在庫量に関しては、27年6月末時点の数値を試算した。その年にとれるコメの作付け意向調査をふまえて初めてはじき出した。主食用米から備蓄米向けなどへの転換が進まなかった場合、229万〜271万トンになると見込んだ。民間在庫量はこれまで180万〜200万トンが適正とされており、大きく上回る。

26年産米は各都道府県の1月末時点の作付け意向調査で、主食用米の収穫量が全国合計で732万トンになると予想していた。政府備蓄米分を除き、25年産を1%程度上回る。

足元でコメの平均店頭価格は5キログラム4000円台での推移が続く。高値で販売が振るわず、コメ卸や小売店が販売価格を下げて余剰在庫を減らす動きもみられる。25年産の銘柄米を3000円台で並べているケースがある。

農水省はコメ価格の抑制に向けて備蓄米を59万トン放出した。今後は需給に応じて買い戻しを実施する方針を示す。買い戻しは需給を引き締め、価格が上昇する要因となるため、その時期に注目が集まる。

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