
アサヒグループホールディングス(GHD)は24日、東京都内で定時株主総会を開いた。サイバー攻撃に伴うシステム障害の再発防止策とガバナンス(企業統治)強化について、勝木敦志社長は「経営陣にも情報セキュリティーに関するスキル整備が必要だ。外部専門者の知見も取り入れる」と述べた。
アサヒGHDは2025年9月に「Qilin(キリン)」を名乗る組織からランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃を受け、システム障害が発生した。国内で酒類、飲料、食品のほとんどの商品出荷が滞ったほか、従業員・取引先の個人情報なども漏洩したとみられる。
株主からは今後の情報セキュリティー対策への投資基準について問われた。IT担当の崎田薫取締役は「投資設計のなかでセキュリティーの考えを組み込み、より強固な体制を実現するために投資する」と回答した。犯人からの身代金要求については「交渉も支払いもしていない」と改めて強調した。
社外取締役には社内の対応についての評価が聞かれた。大八木成男取締役会議長は「現場では長年の経験から速やかにマニュアルを整備して復旧し、立派だった」とした。そのうえで「取締役会ではスキルマトリックスを見直し、各取締役に対しサイバーセキュリティーに対する役割を明確化し、監督を強化する」と話した。
総会には前年より255人多い535人の株主が出席した。質問した株主の数は前年より10人増え24人だった。所要時間は前年から4分長い、2時間05分だった。会社側が提案した剰余金処分の議案と勝木氏を含めた13人の取締役の選任議案はともに総会で承認可決された。
一方、アサヒGHDはシステム障害の影響で決算手続きに遅れが生じている。25年12月期の事業報告や監査報告などが今回の総会で出来なかったことから、会社側は別途、臨時株主総会を開く予定だ。
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