運転手の飲酒状態を検知するシステム

 三菱電機は、車載カメラで撮影した運転手の顔色や眠そうな表情などから、飲酒状態かどうかを総合的に判断する人工知能(AI)を開発した。飲酒状態と検知した場合、警告表示や車両停止などの運転制御ができるよう、自動車メーカーと技術開発を進め、早期の実用化を目指す。

 警察庁によると、2025年の飲酒運転による死亡事故は125件と前年比で15件減少したが、死亡事故率は飲酒のない状態より約7・1倍高かった。米国では、23年に1万2000人以上が飲酒運転による交通事故で犠牲になったと道路交通安全局(NHTSA)が発表。国内外で飲酒運転が社会問題化しており、欧米では新車に飲酒運転防止技術の導入などを義務づける議論が進められている。

 三菱電機先進応用開発センター(兵庫県)では18年、車載カメラが運転手の顔を認識し、脇見運転や居眠りを感知して警告音が鳴る「ドライバーモニタリングシステム」(DMS)を実用化。飲酒状態を検知するため、このDMSを応用した。

 夜間でも使用可能な赤外線カメラで血管拡張による肌の明るさ(顔色)の変化を捉え、AIが脈拍数の上昇を高精度に計測。目の動きなどから眠気を感じているかを推定する。また、急ハンドルや急ブレーキといった危険な運転操作などの車両制御情報も組み合わせ、AIが飲酒状態かどうかを判定する。

 実用化に向け、24~25年には米オークランド大学と共同研究を実施。人種や肌の色、年齢、性別が異なる約100人の飲酒状態の運転データを集めた。

 同センターは「飲酒状態を高精度に検知することによって常時の監視が可能となり、飲酒運転による事故削減に貢献することができる」と力を込める。【田中韻】

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