
島津製作所は25日、知的財産に関わる業務を効率化するサービスを始めると発表した。4月1日に設立する新会社で手がける。生成AI(人工知能)を活用し、特許出願に必要な書類を作成するほか、他社が持つ特許の調査を効率化する。弁護士など外部への業務委託費用を年間8000万円削減する効果を見込む。2030年度までに320社にサービスを導入し、売上高15億円を目指す。
新会社名は「Genzo AI」(ゲンゾウ・エーアイ、京都市)。資本金は5000万円。出資比率は島津製作所が90%、特許調査を手がけるIPエージェント(東京・新宿)が10%とする。島津製作所が自社開発し、23年から社内で使っているソフトを、サービスとして企業や大学向けに外販する。販売価格は年間100万〜1500万円を想定する。
島津製作所の知財部門が実際の業務に合わせて、AIのプロンプト(指示)を作ったのが特徴。発明に関する資料をAIに読み込ませると出願の候補となる特許の種類を提案するほか、発明が他社の特許を侵害していないかも調べる。英語と中国語の翻訳にも対応する。
島津製作所ではソフトを活用することで、特許庁などに発明を届け出る工数を従来と比べて5割、他社の特許を調査する作業を9割減らす効果があった。
25日に開いた記者会見で島津製作所の西本尚弘最高技術責任者(CTO)は「知財業界では慢性的な人手不足や外部委託コストの高騰、ベテラン社員の暗黙知の継承といった課題に直面している。新サービスで日本の知財力の底上げに貢献したい」と述べた。
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