武田薬品工業は25日、2027年3月期に約1500億円の事業構造再編費用を計上する見込みだと発表した。28年3月期と29年3月期にも「これより低い水準」の事業構造再編費用を計上するという。主に日本以外での人員削減に加え、優先順位の見直しに伴う新薬候補の研究開発中止による減損損失も含まれるとみられる。

同日午後5時半の発表後、私設取引システム(PTS)で武田薬品の株価は一時、同日の東証終値比で1%安となる場面があった。

武田薬品は30年代に売上高の2割を稼ぐ腸疾患の薬「エンティビオ」の特許切れを迎える。足元では睡眠障害の治療薬候補「オベポレクストン」や皮膚病の新薬候補「ザソシチニブ」などの発売も控え、費用が膨らむタイミングにある。

29年3月期にかけて組織体制の刷新に伴う構造改革によりこれら複数の新薬の発売準備や、臨床試験(治験)が進んだ新薬候補の開発にかかる費用などを吸収する狙いがある。武田薬品は25日の発表で「28年度(29年3月期)までに年換算で2000億円以上の費用の節減効果を見込んでいる」と説明した。

武田薬品の26年3月期の連結業績予想(国際会計基準)は売上高にあたる売上収益が前期比1%減の4兆5300億円、純利益は43%増の1540億円の見通しだ。27年3月期は市場予想平均(QUICKコンセンサス)で純利益が2947億円と約9割の増益予想だ。約1500億円の事業構造再編費用を計上すれば業績の重荷になる。

6月に最高経営責任者(CEO)に就任するジュリー・キム氏は「今回の取り組みは、戦略的なリソース配分の最適化と実行力の一層の強化を図るものだ。長期的な成長と次の時代の成功に向けた基盤をより確かなものにしていく」とのコメントを出した。

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