東京地裁および東京高裁が入る庁舎=東京都千代田区で2019年5月10日午後4時28分、米田堅持撮影

 携帯電話の通信に関する営業秘密を不正に転職先に持ち出したとして、携帯電話大手「ソフトバンク」が元社員(50)と転職先の「楽天モバイル」に計10億円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は26日、楽天モバイルに対する請求を棄却した。杉浦正樹裁判長は、楽天モバイルが元社員に営業秘密の持ち出しを指示した事情がないことなどから「不正競争行為に当たらない」と判断した。

 一方で、元社員については約257万円の賠償を命じた。知人に「機密情報を持ち逃げしましたので、ガッツリ、やりましょう」などとメッセージを送っていたことから、不正に利益を得る目的でソフトバンクから通信ネットワークの営業秘密を持ち出したと結論付けた。

 ソフトバンクは「判決内容を精査した上で、今後の対応を検討する」、楽天モバイルは「今後も内部管理体制の強化や法令順守などの従業員教育に注力する」とそれぞれコメントした。

 元社員は刑事裁判でも、高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムの情報を持ち出したとして不正競争防止法違反に問われ、東京地裁は22年12月に懲役2年、執行猶予4年、罰金100万円の判決を言い渡し、有罪が確定している。【安元久美子】

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