27日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は大幅続伸し、指標となる米国産標準油種(WTI)の5月渡しの終値は前日比5・16ドル(5・46%)高の1バレル=99・64ドルだった。終値としては2022年7月以来約3年8カ月ぶりの高値で、取引期間中に100ドルを上回る場面もあった。海上輸送の要衝ホルムズ海峡の事実上の封鎖に対する懸念が強まった。
市場では、中東での軍事衝突の激化や海峡「封鎖」の長期化への警戒感が広がっている。
船舶位置情報サイトを運営する「マリントラフィック」によると、中国の海運大手、中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ)の大型コンテナ船2隻が海峡を通過しようとしたが、現地時間27日早朝にペルシャ湾側に引き返した。大手コンテナ船会社が海峡通過を試みたのは一連の紛争発生後初めてだった。
マリントラフィックはX(ツイッター)で、コンテナ船2隻が海峡の手前で引き返した航跡を示す短い動画を投稿した。中国はイラン産原油の主要な買い手で、イランと友好な関係を築いている。イランは非敵対国であれば海峡通過を容認する姿勢を示していたが、同社は「ホルムズ海峡を巡る情勢が依然として極めて不安定であることを示唆している」との見解を示した。
一方、米メディアは27日、イスラエルがイランの核関連施設2カ所を攻撃したと報じた。イラン側は報復攻撃の構えを見せている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、サウジアラビアの空軍基地は27日にイランのミサイル攻撃を受け、米軍の兵士数人が負傷した。
米イスラエルによる対イラン軍事作戦は28日に開始から1カ月となるが、原油供給が危惧される状況は改善していない。戦闘終結の見通しが立たず、原油価格に上昇圧力がかかり続けている。【ワシントン浅川大樹】
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