イーライ・リリーの看板=ロイター

【ヒューストン=赤木俊介】米製薬大手のイーライ・リリーは1日、米食品医薬品局(FDA)が経口タイプの肥満症治療薬「オルフォルグリプロン(商品名ファウンダヨ)」を承認したと発表した。欧州の競合も1月から経口タイプの肥満薬を米国で発売し、米肥満薬市場のシェア争いが激しさを増している。

リリーによると、ファウンダヨは1日1回の経口投与が必要となる。新薬承認の最終段階にあたる第3相臨床試験(治験)では11〜12%の体重減少を確認した。1日の米株式市場ではリリーの株価が前日終値比で一時5%以上上昇した。

米テキサス大肥満治療薬センターのデボラ・ホーン・センター長は1日の声明で「食事や水分摂取の制限なく服用できる1日1回の錠剤は、より柔軟な治療の選択肢を提供できる」と説明した。

米JPモルガンは肥満薬や糖尿病治療薬を含む「インクレチン関連薬」の国際市場が2030年までに2000億ドル(およそ32兆円)に達すると予想する。

肥満症薬は注射タイプが主流だが、患者への負担が軽い経口タイプの登場により需要がさらに拡大するとみる。JPモルガンは米国内でインクレチン関連薬の服用者が25年のおよそ1000万人から、30年には2500万人まで増えると試算した。

JPモルガンのシニアアナリスト、クリス・ショット氏は「経口タイプの肥満症薬の登場に加え、価格低下と医療保険の適用拡大により利用がさらに広がる」と指摘した。

リリーはデンマーク製薬大手ノボノルディスクと米肥満症薬市場のシェアを争う。FDAは25年12月にノボが開発した経口タイプの肥満症治療薬「ウゴービ」を承認し、26年1月に発売した。

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