秋田県と千葉県沖の洋上風力発電開発事業から撤退を決めた理由を、三菱商事の中西勝也社長(手前)から聞く武藤容治経済産業相(右)=東京都千代田区で2025年8月27日午後5時22分、中島昭浩撮影

 武藤容治経済産業相は2日の閣議後記者会見で、三菱商事や中部電力子会社などの企業連合が洋上風力発電所の開発事業から撤退した秋田県と千葉県で近く、法定協議会を開くと発表した。三菱商事や国側が出席し、地元の意見を聞くという。経産省は地元の意向を確認した後に再公募を実施する方針にしている。

 武藤経産相は8月27日、三菱商事から撤退理由を聞いた後「日本における洋上風力の導入に遅れをもたらし、大変遺憾だ。今回の撤退は地元の期待を裏切るもので、洋上風力全体に対する社会の信頼そのものも揺るがしかねない」などと述べていた。

 三菱商事は同日に、秋田県と千葉県沖の3海域の洋上風力発電所の開発事業から撤退すると発表した。中部電力の子会社「シーテック」(名古屋市)などと組んだ企業連合は、2020~21年の第1回公募で秋田県と千葉県沖の3海域を全て落札。28年以降に計174・2万キロワット分の着床式洋上風力発電所を稼働させる計画だった。【中島昭浩】

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