日銀の氷見野良三副総裁は2日、北海道釧路市で記者会見し、追加利上げについて「先走り過ぎないようにしないといけないし、後手にも回らないよう両方気を付ける」と強調した。国内外で物価高に対応した日銀の利上げが遅れることを懸念する声が出る中、米トランプ政権の関税政策などの経済情勢を踏まえ、適切な時期を模索する考えを改めて示した格好だ。
氷見野氏は「経済も物価も上下双方向のリスクがある」と指摘。米関税政策を巡り、各国の通商交渉が進展する中でも「世界全体としてみれば不確実性は残っている」との認識を示した。
その上で、関税の影響が顕在化しないことが明らかになれば、「どちらかと言えば利上げ方向に働く」と語った。利上げ時期を判断する上では、関税の価格転嫁などを受けた米国の物価情勢も「注目点の一つだ」とした。
講演後、記者会見する日銀の氷見野良三副総裁=2日午後、北海道釧路市
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