
住友商事は3日、三井住友ファイナンス&リース(FL)など3社と共同で、航空機リース大手の米エアリースを買収すると発表した。オンラインで記者会見した輸送機・建機グループ最高経営責任者(CEO)の日下貴雄常務執行役員は「リース業界は運航企業と比べると下方耐性が強い」とし、「新型コロナウイルスのような外的要因があっても影響は限定的だ」と話した。
住友商事は三井住友FL子会社のSMBCアビエーションキャピタルなどとの共同出資の新会社を通じてエアリースの全株を取得する。買収総額は約74億ドル(1兆900億円)で、住商は37.5%を出資する。2026年4〜6月期中の買収完了を予定し、住商・三井住友陣営は管理・発注機数で業界首位のエアキャップ(アイルランド)に迫る。
住友商事の25年3月期の航空機部門の事業利益は185億円で、買収完了後の27年3月期には300億円超を見込む。日下常務は「リース事業の拡大のほか(中古部品販売など)アフターマーケット事業の投資も進め、バリューチェーンを広げていく」とし、27年3月期以降も事業拡大を狙うと説明した。

航空機市場は新型コロナ禍で低迷した。日下常務は航空機市場について「感染症のパンデミック(世界的大流行)や戦争で一時的な停滞はあっても、一定期間で好転するシクリカル(景気循環)な業界だ」と話した。
米ボーイング社の品質問題などもあり、航空機は世界的に製造が追いつかない状況が続いている。リース業界でも航空機の安定調達が課題となるなか、日下常務は「エアリース買収でメーカーとの交渉力を高め、リスク分散や収益の安定化、コスト削減につなげていきたい」と語った。
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