
サントリーは登美の丘ワイナリー(山梨県甲斐市)に完成した新醸造棟を3日、報道陣に公開した。自社畑のブドウを区画ごとに仕込める小規模タンク26基を導入し、多彩なワイン原酒の造り分けを可能にした。テロワール(産地の個性や特徴)を最大限生かす日本ワイン造りを追求し、世界市場でのさらなる地位向上を図る。
新設した「FROM FARM醸造棟」は3階建てで、延べ床面積1090平方メートル。発酵タンク26基は容量0.8〜2.4キロリットルで、既存の醸造棟の3〜5キロリットルより小さい。小ロットの仕込みによって畑の区画ごとに異なるブドウの個性を引き出せ、より高品質なワイン造りにつながるという。
新醸造棟の投資額は約7億円。年間1000ケースの製造能力があり、同社のプレミアムワインの醸造に充てる。ブドウ果汁を丁寧に搾るプレス機や酸化を防ぐ新たな瓶詰めラインも導入した。タンクは今後40基まで増設する予定という。

同社は登美の丘ワイナリーの見学ツアーを19日からリニューアルし、新醸造棟を行程に追加する。80分3000円と2時間8000円の新コースを設け、予約を4日から受け付ける。
登美の丘ワイナリーは敷地面積約150ヘクタール。標高約400〜600メートルの丘陵地に約50区画のブドウ畑が合計約25ヘクタールあり、現在は白ワイン用の「甲州」や赤ワイン用の「プティ・ヴェルド」など12品種のブドウを栽培している。

【関連記事】
- ・サントリー、日本ワインを増産 輸出拡大へ新醸造棟
- ・山梨ワインを世界に発信、英専門誌「デカンター」を産地に招く
- ・サントリー、世界に伍す甲州ワインへ「価格上げたい」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。