
【ヒューストン=大平祐嗣】米ガラス大手コーニングと再生可能エネルギー関連のT1エナジーは15日、素材の段階から米国産を使う太陽光パネルを米国でつくることで合意したと明らかにした。太陽光パネルは中国勢が市場を席巻するが、トランプ政権は中国製を排除して国産化を進める方針を採っており、ここに商機を見いだした。
コーニングが米中西部ミシガン州の拠点で高純度のポリシリコンとウエハーをつくり、T1がこれらの部材を使って、南部テキサス州の工場で太陽光パネルを製造する。2026年後半以降、生産を始める予定だ。ポリシリコンやウエハー、セルなどすべて米国で製造するとしている。
T1のダニエル・バルセロ最高経営責任者(CEO)は「米国企業が米国のエネルギー安全保障を守る取り組みだ」と述べた。6000人近くの雇用創出にもつながるという。
太陽光パネルを巡っては、中国企業が世界の市場を席巻している。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、中国勢は半導体向けを含むポリシリコンで94%、太陽電池セルでは90%、太陽光パネルでは83%の世界シェア(いずれも生産能力ベース)を握っている。米国にも中国産のパネルが大量に供給されてきた。
T1エナジーの旧名はフレイヤーバッテリーで、もともと再生可能エネルギー向けの電池などを手がけてきた。欧州から米国に本社を移してきた経緯があり、24年11月に中国の太陽光パネル大手トリナ・ソーラーから米国の太陽光パネルの工場を取得していた。
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