製品・サービスの値上げを進める企業が多いなか、一部の企業が逆張りの施策を打ち出し始めました。お得感を訴求する「増量」「大盛り」、期間限定の割引キャンペーン、そして値下げ。インフレ疲れの消費者の財布のひもを緩めるには有効ですが、原材料費や人件費、物流費の上昇が落ち着いたわけでないので、一つ間違えば業績悪化につながりかねません。逆張りする各社の思惑が分かる記事を集めてみました。(内容や肩書などは掲載当時のものです)

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すき家、牛丼を値下げ

高価格帯重視のイメージが強い資生堂ですが、このほど敏感肌向けスキンケアブランド「dプログラム」を刷新し価格を1割超引き下げます。競合他社商品に流れた顧客を奪い返すとともに、男性客などより幅広い層を取り込む考えです。中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)は日本市場でのシェア拡大を狙ってEVの値引きを始めました。牛丼チェーンのすき家は4日に一部商品の価格を改定し、並盛りは450円と30円下げました。低迷気味の来客数は回復するのか、注目です。

  • ・資生堂が覚悟の値下げ 敏感肌向けブランド、花王追い上げへ戦略転換
  • ・BYDが日本でEV最大117万円値引き、国内最安 シェア拡大へ価格攻勢
  • ・すき家が逆張り値下げ、高まる節約志向に先手 競合他社は静観

料金上げるがデータ容量は増やす

値下げと値上げを組み合わせたり、異なるサービスの料金を統一したりすることで、全体としてバランスを取る方法もあります。KDDIの低価格ブランド「UQモバイル」は、11月から主要なプランの月額料金を引き上げつつ利用可能な月間データ容量を増量して利用者をつなぎ留めます。料理宅配サービス「Wolt(ウォルト)」を手掛けるウォルトジャパン(東京・渋谷)は宅配価格を店頭価格と同額にする取り組みを都内で始めました。

  • ・UQモバイルが料金改定 月220円上げデータ容量2ギガ増量
  • ・料理宅配ウォルトが都内で値下げ 渋谷など3区、店頭と同額に
  • ・出前館が背水の値下げ、一部で店頭と同額 宅配シェア争い消耗戦に

「増量」は当たり前?

コンビニエンスストアが打ち出す「増量」「大盛り」「割引」施策は、もはや定番キャンペーンになっている感があります。需要喚起のために各社が知恵を絞った結果ですが、消費者が「それが当たり前」と思い始めて訴求効果が薄れる懸念もあります。

  • ・ファミリーマート、30%増量の中華まん 国産黒豚を大きめに
  • ・ローソン、おにぎりや麺類など50%増量 3日から1カ月間
  • ・日清食品、カップヌードルビッグで「謎肉」など増量 10年ぶり刷新
  • ・コカBJH、救世主は「たっぷり綾鷹」 連続増配が射程に
BUSINESS DAILY by NIKKEI

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