太平洋工業の株価はTOB価格を上回って推移している

MBO(経営陣が参加する買収)による株式非公開化を目指している太平洋工業は8日、同日までとしていたTOB(株式公開買い付け)期間を24日まで延長すると発表した。1株2050円とするTOB価格は維持する。同社を巡っては3日に投資ファンドの保有が明らかになり、株価はTOB価格を上回って推移している。足元の買い付け状況を考慮して期間を延長したようだ。

太平洋工業はトヨタ自動車向けを主な顧客とし、車のタイヤに空気を入れるバルブ事業などを手掛ける。7月25日に創業家が出資する特別目的会社(SPC)を通じたMBOによる株式非公開化を発表し、最低でも62.02%の株式取得を目指していた。

今回、7月28日から9月8日までとしていたTOB期間を10営業日延長した。延長の理由については株主に「さらなる判断機会を提供し、本公開買い付けの成立の確度を高めるため」としている。8日の株価は一時前週末比5%高の2417円を付けるなど、TOB価格を上回る状況が続いている。

太平洋工業株を巡っては旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが3日に5.54%を保有していることが関東財務局へ提出した報告書で明らかになった。5日には6.68%にまで買い増した。

現時点でエフィッシモのTOBへの賛否は明らかになっていない。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこと」としている。

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